香川の漁業小割式魚類養殖Aquaculture

ハマチ養殖の方法

ハマチ養殖施設と給餌方法を紹介しましょう。
海面に小割生簀を設置し、その網の中に魚を入れ、餌をやり育てます。
鋼管製などの枠をフロートで浮かし、それに小割網をつり下げる筏式と、フロートのみで小割網をつり下げるフロート式があります。筏式は一辺5 ~12mの正方形で、網の深さは4~10m。フロート式は、筏式と同様な規模のものの他、一辺約25m深さ約22mの大型のものもあります。この他に沈下式(中層吊り式)と呼ばれるものも地域によって使用されます。対象種や魚の大きさによって、使用する網の目合、施設の規模、構造等が多少異なります。

小割網(鋼管筏式)
小割網(フロート式の大型小割)
種苗
ハマチ(ブリ)の稚魚はモジャコと呼ばれ春に外海に漂う流れ藻につく習性があります。それを見つけて網ですくいとります。本県ではモジャコの回遊がほとんどないので他県から購入しますが、近年は、愛媛、長崎、高知県などでモジャコから約1年間養殖され、1kg前後になった種苗を購入しています。
養殖法
本県の海水温は、冬にハマチの生存可能水温である8℃を下回ることがあるので、養殖期間が限られています。そこで4~5月に県外から種苗を購入し、9月~翌年1月にかけて3~5kgに育てて出荷します。
給餌
以前は冷凍イワシを使用していましたが、近年は冷凍イワシなどをミンチにし、魚粉などの配合飼料を混ぜてモイストペレットと呼ばれる粒状の練り餌が主に用いられています。さらに最近ではEP(エクストルーダーペレット)の使用も進んでいます。また、香川県独自のブランドハマチの開発も進められ、地域団体商標の登録を受けた「ひけた鰤」、餌にケルプミールを添加し、速い潮の流れの中で育った「なおしまハマチ」、香川県特産のオリーブの「葉」の粉末を2%以上添加した餌を、20日間以上与えて育てた「オリーブハマチ」、の「香川ブランドハマチ三兄弟」が誕生しています。
漁期
4月~翌年1月
漁場
東かがわ市引田、さぬき市、高松市、直島町地先など
モイストペレット船(手前に冷凍イワシ、
後ろに配合飼料を積んでいます)
魚体にあわせてモイストペレットを
切断しているところ
モイストペレット
ハマチ養殖の餌やり
餌に群がるハマチ

出典:「香川の漁具・漁法・魚」香川県農林水産部水産課,「香川のさかな」大林萬鋪

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